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『明日も、アスペルガーで生きていく。』を読んだ感想。当事者目線で書かれた、アスペルガーとの向き合い方

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ネットで「ASD」や「ADHD」について書かれたものをよく目にするようになりました。

そういった記事を見て、自分もそうかもしれない…と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

私自身「ASDの傾向があるのではないか?」と感じている一人です。

ASDについて知ろうと思い、たまに関連する書籍を読んだり、ネットで調べたりしているのですが、先日読んだ『明日もアスペルガーで生きていく。』がすごく良かったので紹介したいと思います。

 アスペルガー当事者目線で語られる、何気ない日常生活で苦労すること

著者の国実マヤコさんは、30代前半でアスペルガーであることがわかったそうです。

(↓国実マヤコさんが書かれた記事)

www.huffingtonpost.jp

私が今まで読んだ本は、「自閉症スペクトラムとはどういうものか」「子育てはどのようにすればよいか」といった内容のものが大半でした。

しかし、本書は少し違う。

著者が当事者であり、また綿密な取材を元に書かれているため、フィクションでありながらすごくリアリティがある。

もっと身近で、実際に日常生活のどんな場面で困るのかについて書かれています。

 では、困りごとにどうやって対処していく?

前半は小説で、アスペルガーで生き辛さを抱えた8人の物語となっています。共感できる部分も多く、あるある…と思いながら読み進めた。

アスペルガーといってもそれぞれ異なる特性を持ち、またそれぞれに違う困りごとがあります。

後半では、主人公は何故そのような行動をとるのかをわかりやすく説明しています。

また、困りごとに対して本人はどのように工夫していけば良いかが提示されている。これがとても参考になりました。

ただ特性を説明するだけではなく、「では、どうすればよいか?」についても書かれています。

たとえば、必要以上に周りに適応しようと無理してしまう「過剰適応」について。

ある種グレーゾーンのアスペルガーの場合、ある程度は自分を客観視することができるため、この主人公の女性のように「もっとがんばらなきゃ」と、ストレスが高くなっていくというジレンマがあるわけです。

こういう方は、自分の苦手なことをきちんと把握した上で、「がんばりすぎない(やりすぎない)」「相手にも自分にも期待しすぎない」ことが必要となってきます。P269

アスペルガーのコミュニケーションの取り方の特徴について。

アスペルガーの人は、他人の言葉や言動を額面通りに受け取る傾向があります。

(略)ですからアスペルガーの傾向にある人は、これらのことに注意しなければいけません。

相手にもいろいろと事情や立場があるのですから、それを察する「努力」を心掛けてください。「いや、待てよ」と、自分自身に問いかけるクセをつけるのです。P271

ASDの傾向があると感じているのなら、こういった知識を持っておくのも日常生活を楽に送る上で役に立つように思います。

 自分で自分を活かす「対策」を講じる

アスペルガー症候群というのは、教科書通りに「ここまではアスペルガー症候群。ここからはアスペルガー症候群ではない」というように明確な線引きがありません。いわゆるグレーソーンが広いのです。

ですから、自分にその傾向があると思う人がいれば、あちこちの病院をまわって診断を待つだけではなく、先じて自分で自分を「活かす」対策を講じるべきです。P285

自分を含め、診断を受けていなくても、ASD的な特性があって悩んでいる方も多いのではないかと思います。

うまくできない自分を責めて闇雲に頑張ったり、卑屈になってしまうことも時にはある。けれど、ある程度割り切っていくのも必要だなと感じます。

苦手なことは「そこそこ」でいい。

ただ、それは楽をしていいということではなく、自分の得意なこと、好きなことには全力で向き合うべきだと著者は述べています。

 最後に

苦手なことにどうやって向き合っていくか、という点で特に参考になりました。

とてもわかりやすくて読みやすいので、ASDの傾向があるかもしれない、身近な人がそうかもしれない、と悩んでいる方におすすめの1冊です。

あと小説部分もホロリと感動できて、物語を楽しみながら読み進められました!

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